2006年12月31日

イラク・フセイン元大統領死刑執行



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昨日は大掃除やら正月の買い物やらで大忙し。TVを
見る暇も無かったのですが、ちょっと前にニュース
を見てびっくり。今年中に死刑執行というニュース
がありましたが、本当に執行するとは・・・

フセイン元大統領の死刑の罪状は「人道に対する罪
で他にも幾つか裁判があった筈なのですが。この罪
はクルド人虐殺に対するもの。米軍の侵攻の直接の
原因というか理由は大量破壊兵器の保有であった筈
ですが、こういうフセイン逮捕の直接の原因はこれ
で永遠に闇に閉ざされてしまうのでしょうか。

所詮、歴史は勝者のものなんでしょうが、時代を
共有したものとしてはなんとも後味の悪い心情を
抱くのは私だけでしょうか。

私なぞはあのフセインのクエート侵攻で始まった
湾岸戦争で中東から帰国を余儀なくされた経験が
あり、是非ともあの無謀な戦争を彼が何故起こした
のか彼の口から聞いてみたいと思っておりましたが。

少なくとも起訴されている他の裁判の結果(分かって
はいるけど)を待って死刑執行という選択もあったと
思うのですが。

国連も裁判の有効性に疑問なしとしないという意見
でもあるし。常に国連追随主義をとっている日本は
これからどういうスタンスを取るんだろう。

こういう実態を見てしまうと、言いたくはないけど
極東軍事裁判とどう違うのかと些かの疑問を持ったり
してしまう。

イラク政府(或いは米国、そしてそれを支持する国)
は早く反イラク政府の象徴たるものを消して内戦の火
を消したいと思うのでしょうが、果たして効を奏する
かは甚だ疑問と言わざる得ません。

またひとつパンドラの箱を開けた感じがしてならない
のですが。それも中東だけの話ではなさそうです。
この「人道に対する罪」というカタチは日本のお隣に
国にも当てはまる可能性がありますよね。このニュース
を見ている彼の国の人はこの死刑執行を見て何を考えて
いるんでしょうか。





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posted by belage at 01:14| 東京 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | KOKUSAI | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
belageさま。
まだ新年仕様になっていませんが、
新年のご挨拶を置いておきます。
昨年はお世話になりました。
今年は「心機一転」で参りたいと思いますので
よろしくお願いいたします。
では、また。
Posted by sohya at 2007年01月01日 11:56

こちらにもコメントを書きたくなりました。本当に後味の悪い死刑執行ですね。

後味の悪さのひとつの要因が、フセインの様々の行為を含め、多くの事実に蓋がされてしまったこと。それは、ニュースについて他の方がおっしゃっていることで気づきました。

極東裁判について、私も思いを巡らせました。

湾岸戦争のきっかけになったクウェート侵攻をアメリカ政府が承認しているように見せかけたという記事も読んだことがあります。

Crime against Humanity は多く「人道上の罪」と訳されていますが、この場合、Humanity は「人類」という意味のようです。これはアメリカからの留学生の説明です。

いずれにしろ、フセインが Crime against Humanity で処刑されるのであれば、広島と長崎に原爆を投下したアメリカ政府、当時のトルーマンは同罪以上なのではないでしょうか。湾岸戦争、イラク戦争をしかけたブッシュ親子は?

いずれにしろ後味が悪い。私はアメリカの大学でPh.D.をとっていますが、アメリカの arrogance に反発を覚えるようになっています。

あわせて、イスラムとは何か、を勉強しはじめています。

Posted by 小栗幸夫 at 2007年01月02日 01:57
★sohyaさん

あけましておめでとうございます。
旧年中は大変にお世話になりました。今年も
よろしくお願いします。
心機一転とのこと、益々充実した日々を送られること
をお祈り申し上げます。
Posted by belage at 2007年01月03日 08:40
★小栗幸夫さん

まあ、所詮歴史は勝者のものなんでしょうけど。
今まではその醜さが表に出てこなかったものが
情報化社会のお蔭で見えてしまった。こういう
ことなのかな、と。
米国では「人類への罪」ですか。まるで神学的な
匂いがぷんぷんですね。クルドへの行為が何故
「人類」となるのか、飛躍しすぎの感が否めません。
イラク戦争の大元になった湾岸戦争の評価が出来なかったこと、その前のイライラ戦争は。イラクにしてもイランにしても欧米のエゴが出発点で
あったことなぞ歴史の片隅に埋もれてしまうことの
危険性があるように思えてなりません。
Posted by belage at 2007年01月03日 08:48
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