2011年07月19日

映画:Biutiful ビューティフル


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ボクが今一番ハマっている俳優さん。この写真のスペインの
ハビエル・バルディム
あの同じスペインが誇る美人女優さん、ペネロペ・クルスの旦那
さんでもあります。

彼の前はジョニー・デップでありましたが、最近ジョニーがやわな
作品しか出て来ないので、もうハビエルに鞍替え(笑)

恐らく今一番世界で実力のある演技派俳優さんではないかしら。
彼のつい最近のウッディ・アレン監督の「それでも恋するバルセロナ
では、軽妙な、そしてちょっぴり陰のある不思議系の画家を見事に
演じきっていましたが。

今回彼が演じるのは精神を病んだ妻と離婚し、二人の子供を育て
ながらバルセロナの街角でアフリカ系の人間を使い偽ブランド商品
の元締め稼業のやさぐれ者という役。

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どちらかというと、世間からドロップアウトした人間ですが、それでも子供
への接し方は厳格なオヤジで、使っているアフリカ人やら偽ブランド品を
造っている中国人には彼なりの思いやりを持つ、いわば人のいい小悪人
の役柄であります。

「恋するバルセロナ」がバルセロナのハイソな、ちょっと捻れた、ある意味
ダリの絵画を見るような世界を描いているのに対し、この映画はあの
ボク等が持っている華やかなイメージと対極のバルセロナの姿が描かれ
ます。

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彼は彼なりの毎日の生活を、子供たちと一緒に過ごしていくのですが、
ある日体調に異変が。そして病院で余命数カ月というガンの宣告を受
けて。

そしてこの宣告を受けてから彼の生活と彼を取り巻く環境がどんどん
悪い方向に変化して。映画はその変化の波とその波に飲み込まれる
彼の姿を丹念に抑制の効いた筆致で描いていきます。死の恐怖と
戦いながらも子供を護り、別れた妻との関係修復に努力し、生活の
糧であるシノギ稼業の仲間達に襲いかかる数々の悲劇に必死に対応
する彼の姿。


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そして最後に彼は病魔に負けるのですが。更に負けた上に信頼した
仲間に裏切られるという更なる悲劇も・・・

ここに描かれるのは貧しさ故の様々な死と、貧しさ故にその運命から
逃れられない人々の生活。そう、貧しい者はやはり貧しく死んでいくと
いう不条理の世界。でも、それでも人は生きるために生きるという命題
が強く太くこの映画を支えています。

監督はアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ。あの傑作「バベル」の
監督ですが、彼は大の黒沢明監督のファン。この映画も黒沢作品の
生きる」を下敷きにしており、まさに黒沢映画のオマージュ。

さて、肝心のハビエルですが。相変わらずうまいですね。この難解な
映画を演じきるのは彼しかいないという思いが観終わってしました。
最後のシーンの彼の表情なんて!痺れるなぁ!!(上の写真)

生きていることの桎梏から解き放たれた人間の表情がここにあります。
それまでの表情との明暗の違い。ここまで演技を発揮出来る役者は
世界でもそういないでしょう。

でも、ボクの中の彼の最高傑作は「海を飛ぶ夢」。残念ながらこの
作品の微細な陰影を表現した演技は超えなかったなぁ。こちらは
自殺を禁じるカトリックの国で、自殺を希望し、見事それを成し遂げた
ある実在した人間の半生を描いた作品です。ボクはこれを観終わった
時に数分間立ち上がれませんでした。多分DVD化されていると思い
ますので、是非これはご覧下さい。かなりショックを受けますよ。

尚、ハビエルはこの映画で今年のアカデミー主演男優賞にノミネート
されています。

あ、それと表題の英語のスペルがおかしいんじゃないかと気付かれた
方。鋭い観察です。でも、これが正しい映画の題名です。この題名は
主人公が子供に英語を教えている場面があって、彼がミススペルを
教えたのがこの「Biutiful」なんです(笑)


■この映画の評価:★★★★★
 (★五つが最高評価)


■2010年スペイン・メキシコ合作映画
■カンヌ映画祭主演男優賞受賞作品


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Phoenix 東北&関東
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posted by belage at 17:12| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | FILM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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