数年前にベストセラーとなった磯田道史著「武士の家計簿」の映画化作品。
本著は著者が偶然古本屋で発見した幕末から明治初期に亘る加賀藩の
「御算用者」と呼ばれた会計掛の猪山家が四代に亘りほぼ毎日30数余年
付けていた家計簿と、その後収集した書簡集を基に幕末から明治維新の
激動期を生きた下級武士の生活を活写したものであります。
映画は久しぶりにメガホンを取った森田芳光監督が、彼らしいウイットに
富んだ演出でテンポ良く進んで行きます。前作の「椿三十郎」がミスキャスト
に負う所が多いと思うのですが全くの空振りであったことを思うと、今作は
遥かにいい出来です。
本著は著者が偶然古本屋で発見した幕末から明治初期に亘る加賀藩の
「御算用者」と呼ばれた会計掛の猪山家が四代に亘りほぼ毎日30数余年
付けていた家計簿と、その後収集した書簡集を基に幕末から明治維新の
激動期を生きた下級武士の生活を活写したものであります。
映画は久しぶりにメガホンを取った森田芳光監督が、彼らしいウイットに
富んだ演出でテンポ良く進んで行きます。前作の「椿三十郎」がミスキャスト
に負う所が多いと思うのですが全くの空振りであったことを思うと、今作は
遥かにいい出来です。
主演の堺雅人はまさにはまり役。彼の滲み出る人柄が役にぴったりで、
共演の中村雅俊、西村雅彦、松坂慶子、草笛光子の芸達者たちががっちり
脇を固めて、それぞれのシーンを飽きさせません。ヒロインの仲間由紀恵も
普段見る演技と違い、かなり抑え気味の演技で新境地を作り始めたのかな
と思います。更に磨きをかけるといい役者さんになれそうです。
テーマは現代と対比される幕末・明治維新という激動期。その中で経済的
に行き詰まった猪山家が如何に巨額の借金を返済し、「家」の危急を救った
かであります。主人公が取った道は現代の多重債務者が救済される途と
全く同じ手法。この映画を見て経済行為というものは普遍なものがあると
感心した次第。
今年の邦画界の下半期はは時代劇の注目作が目白押しですが、その中
でもこの作品は異彩を放つテーマで注目株。現代の貧困層の増大という
日本経済を見直す意味でも価値ある作品で、グドタイミングのリリースで
あります。ダラ菅ならぬ菅総理やら柳腰のマカオ官房長官には是非観て
欲しい作品です。
共演の中村雅俊、西村雅彦、松坂慶子、草笛光子の芸達者たちががっちり
脇を固めて、それぞれのシーンを飽きさせません。ヒロインの仲間由紀恵も
普段見る演技と違い、かなり抑え気味の演技で新境地を作り始めたのかな
と思います。更に磨きをかけるといい役者さんになれそうです。
テーマは現代と対比される幕末・明治維新という激動期。その中で経済的
に行き詰まった猪山家が如何に巨額の借金を返済し、「家」の危急を救った
かであります。主人公が取った道は現代の多重債務者が救済される途と
全く同じ手法。この映画を見て経済行為というものは普遍なものがあると
感心した次第。
今年の邦画界の下半期はは時代劇の注目作が目白押しですが、その中
でもこの作品は異彩を放つテーマで注目株。現代の貧困層の増大という
日本経済を見直す意味でも価値ある作品で、グドタイミングのリリースで
あります。ダラ菅ならぬ菅総理やら柳腰のマカオ官房長官には是非観て
欲しい作品です。
☆
■この映画の評価:★★★★☆(★五つが最高評価)
■監督:森田芳光 出演:堺雅人・仲間由紀恵・松坂慶子・西村雅彦・草笛光子・中村雅俊他
■上映封切り:2010年12月14日より


